なんもく昔がたり

南牧いろいろイロリばた

~村人が”イロリばた”で聞いた昔の南牧の話を、語り口調でお伝えします。~

昔は大人も子供もいっぺぇいたから、野良仕事だの山仕事が終わったおとなが集まっちゃあ囲炉裏を囲んで、いっぺぇ飲みながらああだのこうだの話したもんだ。

 

子供はそんなおとなの楽しげな顔を見ながら食ったり遊んだりしていた。

 

これからの話はそういう所で見たり聞いたりしたもんだから、根のある事もない事もある。間違っていることもあるだんべけど、囲炉裏端ちゅうのは、まあ、そんなもんだ。

 

 

 

第一話 尾沢の人々

オレが住む旧尾沢村は南牧にもう一つオザワ(小沢)という地名がある関係で「しっぽざわ」とか「…

第二話 吸いつけたばこ

戦争にも行ったオレのおやじが尾沢の尋常高等小学校に通っていた頃に、胴ランを腰にぶら下げて登…

第三話 自動ドア

都会に自動ドアなるものが出始めたころの話である。当時、南牧はおろか下仁田にも富岡にも自動ド…

第四話 バス旅行

今から50~60年前の話である。 砥沢の婦人会が、バス旅行で長野に栗拾いに行った。その頃は…

第五話 モモンガ

 旧尾沢村の砥沢に、山仕事が生業の九ちゃん(仮名:40代)が住んでいた。そこに夕方、同じ部…

第六話 野良猫「トラ」

終戦前のことである。20歳前の九ちゃんが住む砥沢の部落に、トラという通称を持つキジトラの野…

第七話 ガマガエル

 砥沢の部落に住んでいる九ちゃんは、カエルが大の苦手である。サイズがでっけぇガマガエルは無…