南牧で働く@磯貝晃三商店

【なんもくジョブシリーズ#11】

※南牧村に移住を検討されている方から、南牧村って働ける場所はあるの?南牧の人は何をして働いているの?とよく聞かれます。実は南牧村には人手を募集している会社・団体はいくつもあるんです。これから南牧で働き手を募集している会社を紹介していくので、ぜひご覧ください!

南牧村の道の駅オアシスなんもくの川向こうに、蒟蒻粉(こんにゃくこ)を生産する磯貝晃三商店の工場がある。磯貝晃三商店の三代目、雄三さんにお話しを伺った。

道を挟んで両脇に工場が建つ

まずは蒟蒻の歴史から。なんと蒟蒻は縄文時代から存在し、奈良時代に中国、韓国から日本へ食用として伝わったと言われている。もともと医薬品や間食用、精進料理などに使われていたが、江戸時代には大衆化が進み、特に水戸藩(茨城)での生産が盛んだった。蒟蒻芋は水はけが良く、山の斜面の木陰の日があまり当たらない場所で育ちやすい。ただし、蒟蒻は冬にしか収穫できない季節限定の食べ物だった。そこで、水戸藩の人物が蒟蒻芋を乾燥させ粉に加工することで日持ちを良くし、一年中食べられるようにすることを思いついた。蒟蒻芋を製粉化することでこんにゃく産業は発展していった。その後南牧村でも蒟蒻芋の栽培が始まり、水はけが良い山がちな立地を活かし国内でも有数の蒟蒻芋産地として発展した。さらに下仁田で水車の流れを利用して蒟蒻芋を臼でひいて粉にする製粉工場が生まれ、蒟蒻芋の製粉業も一気に発展する。

昭和30年代頃が蒟蒻業界の最盛期に。雄三さんのお祖父さんの晃三さんはもともと蒟蒻農家から蒟蒻芋を買い取り、仕入れ業者に売る「仲買」をしていたが、この時期に独立し、蒟蒻芋の製粉工場を始めた。蒟蒻製粉業者も南牧と下仁田だけでも100軒ほどの業者があった。しかし、品種改良により平らな土地でも栽培が可能になったことで、今では南牧村での蒟蒻芋栽培はほとんど無くなり、安中市や昭和村、渋川市、沼田市などでの栽培が盛んだ。ただ、製粉工場は南牧や下仁田に多いため、群馬県内各地で栽培された蒟蒻芋は製粉のため南牧へ向かう。生産地が遠ざかり蒟蒻芋の仕入れに輸送コストは多少かかるものの、各産地から各品種をバランスよく仕入れることができるようになった。

今はアカギオオダマとミヤママサリという2つの品種がメインで生産されている。一反から約100俵ほどの蒟蒻を収穫できる。1俵は約30キロにもなり、コンテナ2~3基ほどになる。繁忙期の10月下旬から12月頃は、金網でできたコンテナいっぱいに詰まった蒟蒻芋を積んだトラックを道でよく見かける。繁忙期の工場は24時間稼働し、蒟蒻芋が痛まないうちになるべく早く乾燥させるために大忙しだ。

繁忙期の作業を説明してくれた。まず、乾燥工場の屋外で作業する人が、芋の入った金網のコンテナをフォークリフトで持ち上げ、ベルトコンベアに蒟蒻芋を流しいれる。ベルトコンベアで運ばれる途中、蒟蒻芋についた砂や土が落ちるので、それを集めて捨てる。運ばれた蒟蒻芋は水の中を転がりながら、洗われていく。しっかり洗い終わると併設する乾燥工場の中に運ばれていく。乾燥工場に入ると、蒟蒻の玉は薄くスライスされる。そのスライスする機械を見守り分量などを調整する人もいる。ガンガンと温まる工場の一番上の部分での作業のため、真冬でもかなり暑い。この乾燥という過程を経て蒟蒻芋は、水分が85%蒸発して、荒粉というチップになる。

続いて製粉工場へ。乾燥させ荒粉の状態になった蒟蒻芋は、道路の上をまたぎ向かいの製粉工場へと運ばれさらに細かく砕かれる。蒟蒻芋の成分となる精粉(マンナン)と、産業廃棄物の飛粉(とびこ)とに分離するのだ。飛粉は産業廃棄物だが、セラミドという成分を多く含み、化粧品や飼料・肥料として使えるため、別にまとめておく。精粉を一旦40キロずつにまとめた後、隣の製品室へ運び、20キロずつ袋に入れ製品に仕上げる。この作業は繁忙期を過ぎた後も続き、4・5月あたりまで忙しい。

磯貝晃三商店では、繁忙期にパートで入ってくれる人を絶賛募集中。働く時間・日数・期間などは要望に合わせ柔軟に対応する。フォークリフトを動かして欲しいので、免許を持っていない人には費用を会社持ちで免許を取得してもらう。未経験でも初日から働ける作業が多く、男女も問わない。ただ、精粉を袋に詰めてまとめる作業は力が必要なため、男性に任せている。仕事中はそれぞれの持ち場で一人で作業することが多い。もくもくと作業に打ち込みたい人にはぴったりな職場かも。

繁忙期を過ぎたあたりの取材だったため、残念ながら乾燥工場は稼働していなかった。稼働中は機械の音も大きく響き、印象が異なるという。人口が減少し、高齢化も進み、コロナ禍で観光も縮小した中で、最盛期に比べ蒟蒻の生産量も消費量も落ちてはいる一方、海外ではヘルシーな食べ物として注目され始めている。今や全国の蒟蒻生産量の9割以上を占める群馬県。今日も、もくもくと蒟蒻粉を生産しています。

お問い合わせはこちら→株式会社磯貝晃三商店(甘楽郡南牧村/食品)の電話番号・住所・地図|マピオン電話帳 (mapion.co.jp)

※本記事は、南牧村のお仕事を紹介するものです。就職をご希望の方は個別に会社にお問い合わせください。なお、お問い合わせのタイミング等により採用募集を打ち切っていたり、条件等変更している可能性がございますが、ご了承願います。